【完】死が二人を分かつまで
「家の用意し嫁だと思うと、どうしても手を出せなかったが……そうだな。お前は、お前だった」
ただ、跡継ぎを作るためだけの結婚。
彼はそれが気に入らなかったらしく。
「死ぬな。俺と一緒に、生きてくれ」
「……っ」
「誓うから。あの結婚式では誓わなかったことも、全部」
やけに真剣な顔をして、彼は言った。
「ーこれからの人生は哀華を守り、悲しいときはそばに寄り添い、嬉しいときは共に喜び、夫として永遠に哀華を愛し続けることを誓います」
もう、言葉も出なかった。
冷たい誓いに、冷たいキスだった。
なのに。
「んっ……」
今は、倒れそうな程に熱くて。
泣き、崩れ落ちそうになった私を抱き支え、唇を重ね合わせてきた來斗さん。
「ふぁ……っ、っっ」
深く長い、初めてのキス。
「…………よし、これから可愛がる」
「へっ!?」
いきなり、なんの宣言!?
「わ、私、離婚……」
「ん?」
わぉ……綺麗な笑顔。
「い、家に置いてあったでしょ?あれ、書いてくれた?」
そのまま、放置されてるのかな?
それなら……。
「來斗!」
「御門、お、吊戯まで」
「上手くいったのか?」
まさかの無視。