【完】死が二人を分かつまで
『來斗を数年間、自由にさせろ?何を言っているんだ、哀華さん』
『お願い致します。責任は、私がとります』
『何を言っているんだ!?哀華!!』
父に、殴られた。
怒鳴られた。
逆らったことが無かったんだもん。
当然だよね。
すると、そんな父を來斗さんのお父様が泊めてくれて。
『君と來斗を、君が25になったら結婚させる手筈だった』
本来は、16だった。
でも、それは可哀想だと、來斗さんのお母様が止めてくださってた。
『お願いします。せめて、私が……いや、來斗さんが32歳になるまで、待ってください。そしたら、必ず、私は男の子を産むと誓います。だから……』
保証なんて、ない。
欲しいと思って、子供は産めない。
男の子なんて、保証もない。
それでも、彼を自由にしてあげたかった。
家から離れている彼は、私から離れている彼は、とても素敵な笑顔で笑うから。
だから、好きでも……彼がほかの女の人を好きになったのなら、黙認しようと誓った。