【完】死が二人を分かつまで
許可が下りたことを伝え、その条件……
『子供を5人産むこと。そのうち3人は男であること。そしてー……』
どの条件も、彼には伝えなかった。
ただ、許可がおりたことを伝えてもらった。
すると、彼は笑ってくれた。
それは私に向けられたものではなかったけれど、その笑顔を影から見れていた私は幸せで。
彼は私と結婚する気満々だった。
それが、条件だと分かっていたからだ。
でも……愛し合っていないのに、5人は無理だから。
私は彼の子供を産んだように見せかけて、ほかの男性の子を産むようにしようと思った。
生まれた時から、來斗さんに嫁ぐことが決まってた。
だから、男の人とは関係を持ったことは無かったけれど……怖かったけれど、そうするしかなかった。
自分が想像出来ない不安に襲われても、彼の笑顔を見れれば、それで良かったの。
私のエゴでも、彼が好きだったから。
『約束だよ』
何度も、繰り返されて言葉。
『はい、わかってます』
そうして、私達は結婚した。
彼が32歳、私が28歳の時のことだった。
結婚してすぐ、私は彼に言った。