【完】死が二人を分かつまで
台所をはじめとして、完璧に片付けた。
私のものも、全部、病院に持っていく。
離婚届を書いて、形式でもらった指輪を置く。
離婚届を書いているとき、涙がこぼれて止まらなかった。
來斗さんに無視されるのは、耐えられる。
両親からは『恥晒しの娘だ』と、この間のわがまま……結婚先延ばしの件でなじられて以来、話を聞いてもらえない。
他人との接触はとことん避けさせられてきたので、友達もいなければ、頼りになる男性もいない。
私は完全に、一人ぼっち。
だから、死んでいくのも……このままでいい。
子供はどこかで貰ってくれればいい。
私もそろそろ、自由になりたい。
病院からは、絶対入院と言われた。
今がチャンスだから。
さようなら、貴方はどうか自由に。
貴方はどうか幸せに。