私の気持ちと君の想い
「明莉……?和輝くん……?」
そこの、大きな木の後ろで
ふたりが密着して、キスをしていた。
私の理解が追いつかなかった。
「ねぇ、ちょっとまってよ……
私にわかるように説明……して?」
私の手足がガクガクと、震えているのが分かった。
「え〜?なに?
ちょっと髪にほこりがついてたから
吉澤くんに取ってもらってただけだよ〜」
「あぁ、そうだよ」
「だから明莉の気のせいじゃない?」
「そ、……そんな事ない……。
私には完全にキスしてるところが見えてた。間違いないよ……」
震えを隠して、必死に答えた。
「なんだ、もう隠す必要ない……か。
あのね、私と吉澤くん、実は、椿に隠れて付き合ってたの」
明莉は、平然とした顔でそう言った。
「え……?いつ、から……っ……?」
「学年変わったぐらいの頃かなぁ………。いつだっけ?」
仲良さそうに 手なんか恋人繋ぎで、さっきから密着してて
「1年の頃の終業式が終わって春休みの頃からだな」
二人の会話なんて、全然頭に入らなかった。
ちゃんと聞いてるはずなのに
すっと、流れていくようだった。