私の気持ちと君の想い





「あれ……そう言えば、カバンどこやったっけ……」




来た道を辿りながら、正門まで歩いていくと




私のカバンが





ぽつん、と1つだけ取り残され、地面に落ちていた。




私は、自分のカバンを持って、学校を出た。




狂ったようだった。




自分じゃないみたい。




衝撃の事実を知った時も驚きのあまり、泣けなかった。




悲しい、なんてものじゃなかった。




誰を信じたらいいかわからない。




みんなが何考えてるのかわからない。




本当は、心の中でまだ夢じゃないかと信じていた。




でも、心がグサグサと弓の矢で刺されてる感覚。




とても痛かった。




「なんで気づけなかったんだろう」




なんて疑問が浮かんだ。




すべて、私が鈍感なせいだ。




一度和輝くんと別れてから




私の感の鋭さは消えてしまったのだ。




きっとそう。




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