私の気持ちと君の想い
「帰ろ」
晴翔くんが、カバンを持って私の元に来た。
あれ?
いつの間にか、帰りの時間になっていた。
よっぽど楽しかったからだろうか。
裏切られた事が嘘みたいに、仲良くお話したりして
4人で仲良く。楽しかったなぁ。
勇気を出して、学校に来てよかった。
それも、晴翔くんのおかげだ。
夕日がオレンジ色に染まる空の下、歩道橋の上。
晴翔くんが歩いている後ろを振り返り、
「私に希望をくれて、ありがとうっ」
穏やかな笑顔で そう、言った。
風が、前から吹いていて、私の長い髪がなびいていた。
晴翔くんの表情を見ると
夕焼けのせいか、頬が赤くなっていた。
本当に赤く染めているかどうかは、私にはわからない。
「希望を与えたのは俺かもしれないけど
その後、気合いと 勇気を出して 頑張ったのは
紛れもなく、椿だよ。よく頑張ったな」
頭を撫でてくれた。
褒められたのが、とても嬉しかった。
そのままぎゅっと、抱きしめられた。
「んえっ……?」
変な声まで出て、驚いてしまった。
「ごめん、笑ってる椿を見たら抱きしめたくなった」
離れようとするので、私は、
「もう少しだけ、このままでいようよ」
晴翔くんの顔を見ると、近くだから
赤くなっているのが、はっきりとわかった。
夕焼けの色だけじゃなくて、本当に頬を赤く染めていたのだ。
「ねぇ、もし私たちが恋人になったら
どんな風になるのかな?」
疑問を言った。
「なってからのお楽しみ。想像なら、前にしたろ?」
うん、した。
『想像してみて』
晴翔くんにそう言われて
恋人になった時のことを想像した。
まだ、九条くんって呼んでた頃とは
今のイメージだいぶ変わった。
思ってた以上に優しくて、頼りがいのある人。
待っててね、好きになるから。
大好きって言えるように、頑張るから。
それまで、いろんな思いで作ろう。
友達としての、晴翔くんと
いっぱい思い出を作ろう。