私の気持ちと君の想い
「おはよ」
懐かしい、ね……。この感じ。
「おはよう」
晴翔くんがいつも
先に待ってて、私が合流する。
そして一緒に学校に行く。
「ねえ、晴翔くん」
私が声をかけた。
「んー?どうした」
「晴翔くんは、私のどこを好きになったの?」
唐突に思ったから、唐突に言ったのだ。
晴翔くんは、顔を真っ赤に染めた。
「いっ、いきなりなんだよっ……」
「なんで好きになったのかなって……
どこ好きになったとか
聞いたことなかった気がするから」
「そうだっけ」
「そうだよ。ていうかいつから好きなの?」
「去年から」
恥ずかしそうに赤面状態で言う
晴翔くんは、少し可愛かった。
「去年!?そんな前だったの??」
去年という言葉に驚きが隠せず言った。
「そんな大きい声だすなよ……。悪いかよ」
「ずっと隠して、耐えてたの?」
「だって、ずっと椿の事見てきたから
吉澤の事好きなんだなって、椿の目線の先ですぐに分かって。
俺じゃきっとだめなんだって。
……そう、思ったら伝えれなくて、応援しよう。
クラスメイトとして接しようってそう考えてた」
「そう、だったんだ……?」
そっか。そんな前から私のこと……
「気付かなくてごめん、ね……?」
「いいよ、そういう素振りも見せてないのに
わかるわけないと思うし。
それに今は、仲のいい友達でいれてる事に感謝だから」
「……辛く、ないの?」
「そりゃあ、辛いよ。
本当は今すぐにでも俺の物にしたい。
でも、そういうわけにはいかないだろ?
俺は、椿の気持ちを大事にしたいから。
椿が俺の事を、心の底から
“ 好 き 。 大 好 き 。 ”
って言える時まで、待ってるよ」
そう言って、少し寂しそうに
晴翔くんが笑った。
「……ありがとう」
辛くないわけがないんだ。
いつまでも待たせてちゃ、晴翔くんが可哀想だよね。
片思いの辛さは、私も経験してる。
どれぐらい辛いのかわかるのに……
わかってるのに……