私の気持ちと君の想い
祝日だからかな?
人で溢れてて、少しでも離れたら
迷子になりそう……。
チケット1枚買うのも長い列を並ぶハメになるとは……。
「はぁ〜……、やっと買えた!!」
そう明莉が言うと、
「こんなに並ぶとは思わなかったなー」
と、吉澤くんが言っていた。
やっとの思いで、水族館の中に入ることが出来た。
明莉と吉澤くんは、腕なんか組んじゃって
すごく仲良く楽しみにしてるみたい。
なんか、人混みの中って
……人に酔うっていうか
あんまり楽しめないかもしれない。
「どうした?」
私が考え事をしていたせいで
晴翔くんが心配して声を掛けてきた。
「ううん、なんでもないよ」
これ以上心配掛けないように、そう言った。
「手、貸して」
晴翔くんは、私に手を差し出した。
「な、なに?」
なんだろう……?
「手繋ごう?
逸(はぐ)れたら、探すの大変そうだから」
そう言って、晴翔は私の手をぎゅっと握った。
「んえっ?あ、そうだよね…!」
ちょ、……ちょっとだけ。
びっくりしちゃった。