私の気持ちと君の想い
一番初めに着いた明莉は
「わぁ、ペンギンいっぱい いるんだね!」
と言った。
壁の向こうにペンギンが居て、壁に触れるとすごく冷たかった。
だけど……
「壁で仕切られてるから、思ってたより空間は寒くないね」
そう思った。
よいしょよいしょと、重たそうに
右、左(みぎ、ひだり)と次々に両足を前に出して歩くペンギン。
この歩き方が可愛いんだよね。
みんなでペンギンの歩き方を真似したりして、とても楽しかった。
「大丈夫?寒くない?」
そう言いながら私を気遣ってくれる晴翔くん。
やっぱり、優しいんだなあ……。
「なんでそんなに優しいの?」
小声で呟いてしまった。
「椿の事が心配だから。
それに、好きな人が風邪なんか引いたら
いても経ってもいられなくなるだろ?」
「そっか……。確かに、そう……かも。
ほんと、優しいね」
「褒めても何も出ないぞ?」
「あはは……。そういうつもりで言ったんじゃないけどね……」