私の気持ちと君の想い
これが恋
「行ってきます!」
玄関を閉めて、まだ履き終えてない靴を
つま先でトントン─。
リズム良く叩いて、靴を履いた。
「おはよ」
晴翔くんは、いつもの場所で待っていた。
「おはよう!課題やった?」
首をかしげて、聞いてみると
「やったよ、いつもより量が多かったよなあ」
案外、晴翔くんも頭はいいのだ。
「多かったね〜」
「安平さんは、終わったのかな?」
「うーん、どうだろ。
明莉の事だから終わってなかったりして……」
私達は、下駄箱で靴を履き替えて、クラスに向った。
「あっ、やっと来た!?椿遅いよ〜!!」
クラスに入って早々、明莉は私に泣きついてきた。
「なになに、どうしたの」
私は、明莉の頭を撫でながら聞くと
「課題が終わってないんだってば……。
やばいんだよ?すごい量出てるの。
昨日が祝日だからって、1日くらいさ?
課題無くても良くない?」
「あはは……そういうわけには、いかないんじゃない?」
「うぅぅ……。
もう〜!全然課題わかんないよ!!」
「私が手伝おうか?」
「ほんとに!?いいの??」
「うん、元々そのつもりだったし。
ていうか明莉もその為に、いつもより早く学校来たんでしょ?」
「な、なぜそれを……!!」
「わかるよそれぐらい。
手伝うかあ〜!明莉の為だし!」
手伝うって言っても、私は答えを写させる事は絶対にしない。
だって、その人が頑張ってやらないと
その人の為にならないから。
自分で出来ない物は、少し手を貸す程度で教える。
簡単に例えて言うならば
高い所に、欲しい物があるとするでしょ?
でも、手が届かないとする。
それを取るためには、高さが必要なの。
でも、自分1人じゃ届かないから
下に土台となる物を置いてあげるのが私の役目。
そしたら、階段みたいに上に上がれるし
その人も自分自身で歩けるからね。