私の気持ちと君の想い





そうやって考えている間も、自分の家にどんどん近づいている。




なんとなく、歩くスピードを遅くしてみたり。




もうちょっと晴翔くんの隣に居れたらいいのに。




「下なんか向いてどうした?」




「あっ、ううんっ。何でもないの……」





帰るのが寂しいって言ったら 晴翔くんは、どうしてくれる?




「本当に?何かあるならちゃんと言えよ」




言ってみようか?




「ううん。本当に、大丈夫」




今の私には、やっぱり無理みたい。




いつか、言うね。




覚悟が決まるまで、待ってて欲しい。




そう、心の中で願った。




「ごめんね?送ってもらっちゃって」




そう言いながら、晴翔くんの顔を見上げた。




「いいよ、こんなに暗いのに一人で帰す方が心配だから」




そんな私に気づいた晴翔くんは、そっと笑ったと思うと




私の頭をぐしゃっと撫でる。





「ちょ、ちょっと!髪ボサボサになるじゃん……」




顔が赤いのを隠して、ぐしゃぐしゃにされた髪を手で直した。




「たまには、これぐらい いいだろ?」




「別にいいけど……」





本当はすごく嬉しい。




私って単純なんだなぁ……。





< 210 / 225 >

この作品をシェア

pagetop