私の気持ちと君の想い
そうやって考えている間も、自分の家にどんどん近づいている。
なんとなく、歩くスピードを遅くしてみたり。
もうちょっと晴翔くんの隣に居れたらいいのに。
「下なんか向いてどうした?」
「あっ、ううんっ。何でもないの……」
帰るのが寂しいって言ったら 晴翔くんは、どうしてくれる?
「本当に?何かあるならちゃんと言えよ」
言ってみようか?
「ううん。本当に、大丈夫」
今の私には、やっぱり無理みたい。
いつか、言うね。
覚悟が決まるまで、待ってて欲しい。
そう、心の中で願った。
「ごめんね?送ってもらっちゃって」
そう言いながら、晴翔くんの顔を見上げた。
「いいよ、こんなに暗いのに一人で帰す方が心配だから」
そんな私に気づいた晴翔くんは、そっと笑ったと思うと
私の頭をぐしゃっと撫でる。
「ちょ、ちょっと!髪ボサボサになるじゃん……」
顔が赤いのを隠して、ぐしゃぐしゃにされた髪を手で直した。
「たまには、これぐらい いいだろ?」
「別にいいけど……」
本当はすごく嬉しい。
私って単純なんだなぁ……。