私の気持ちと君の想い
先輩が勝手に晴翔くんと腕を組み始めて笑顔で口を開いた。
「九条くん!そんな女にかまってないで、私とお話しましょうよっ!ねっ?」
先輩はさっきまで怒っていたことが嘘のように、可愛い子を演じていて、まるで媚を売っているかのようだった。
先輩の言葉にイラッとしたのか、晴翔くんは怖い顔をして、先輩に何か言い始めた。
「なあ、そんな女って何?誰に対して言ってんの?」
「えっ…?いや、だからそこにいる色目を使う汚い女よ!」
「は?何言ってんの」
晴翔くんが珍しくキレているので、少し抑えた方がいいと思った。
「晴翔くん、大丈夫だよ、いいよ」
そう言ってみたけれど……
「いいから、椿は俺の後ろで黙ってて、言いたいこと言わないと俺の気が済まないから」
「わかっ…た……」
そう言って、また先輩に怒り始めた。
「椿は、先輩よりよっぽど心が綺麗です、色目使うって椿のどこが色目使ってるって言うんですか?素直で可愛いじゃないですか」
「ていうか俺、先輩にきちんと断りましたよね?」
「先輩は、1度自分が何してるのか見直した方がいいですよ、そしたらきっと変わると思います」
「えっ、あっ、うん…っ…はい……」
先輩は、ポカーンと口を開けて、言葉に詰まって何も言えなくなり、自分のクラスに帰っていった。