たったの3秒で
豹はカバンを雑に置いて、お母さんが畳んでくれたであろうTシャツに着替え始める。
「汗くさい」
私に向かって投げた制服のシャツを嗅ぐと、豹の汗のにおいがした。
夏って感じ。
「今日どうだったの?試合」
「テスト明けでボロ負け」
ふーん、と言って一度起こした体をもう一回倒す。
部屋には豹が中学生の頃着ていたバスケのユニフォームが吊られている。
目線を横にずらすと、小学校の頃に使ってたサッカーボールが置いてある。