【完】キミさえいれば、なにもいらない。
その日の昼休み、俺は環や美空たちいつものメンバーと一緒に昼飯を食べたあと、雪菜の教室へと向かった。


3組の教室をチラッと覗くと、雪菜は自分の席に座って本を読んでいて。


ちょうど話しかけたいと思ってたから、ラッキーだった。


「雪菜!」


俺が彼女の席までやってきて声をかけると、彼女はハッとした顔でこちらを振り向く。


一瞬「また来たの?」みたいな顔をされたけれど、構わず俺は開いている彼女の前の席に座った。


「なぁ、今日は何読んでんの?」


「えっと……『魔女の初恋』っていう本」


「あ、それ知ってる!この前本屋にいっぱい並んでた」


「うん。出たばかりの新刊だから」


「へぇー。俺も読んでみようかな」


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