【完】キミさえいれば、なにもいらない。
*まさかの勘違い
それから数日後。
その日の3,4時間目は家庭科だった。
教科を選べる選択授業の時間なんだけど、私は璃子と一緒に家庭科を選んだので、今日は家庭科室にてエプロン姿で調理実習。
課題のメニューはクッキーだったので、みんなおしゃべりしながら和気あいあいとクッキー作りを楽しんでいた。
冷蔵庫で冷やした生地をめん棒で平らに伸ばし、好きな形に型抜きしていく。
私が一人で黙々と型抜きの作業をしていたら、隣で璃子がその様子を見ながら感心したように声をかけてきた。
「雪菜はほんと、手先が器用だよねぇ」
「えっ、そう?」
「うん。器用っていうか、家庭的だよね」
……家庭的、かぁ。
その言葉は確かに、お兄ちゃんにも言われたことがある。
その日の3,4時間目は家庭科だった。
教科を選べる選択授業の時間なんだけど、私は璃子と一緒に家庭科を選んだので、今日は家庭科室にてエプロン姿で調理実習。
課題のメニューはクッキーだったので、みんなおしゃべりしながら和気あいあいとクッキー作りを楽しんでいた。
冷蔵庫で冷やした生地をめん棒で平らに伸ばし、好きな形に型抜きしていく。
私が一人で黙々と型抜きの作業をしていたら、隣で璃子がその様子を見ながら感心したように声をかけてきた。
「雪菜はほんと、手先が器用だよねぇ」
「えっ、そう?」
「うん。器用っていうか、家庭的だよね」
……家庭的、かぁ。
その言葉は確かに、お兄ちゃんにも言われたことがある。