【完】キミさえいれば、なにもいらない。
*私の苦い初恋
男の子に憧れのような気持ちを抱いたのは、それが初めてだった。
当時高一だった私の家には、一つ上の二年生のお兄ちゃんのバンド仲間の友達が、毎日のように遊びに来ていて。
そのほとんどが、お兄ちゃんと似たような派手な容姿のチャラい人ばかりだった。
だから私は、その人たちが苦手だった。
家に帰るといつもワイワイ騒いでいて、ノリが軽くて、ふざけてばかりで。
人使いの荒いお兄ちゃんは、飲み物を持って来いとか何かと私に用事を押し付けるから、たびたびお兄ちゃんの部屋に呼ばれて、そのたびに絡まれたりするのが嫌で。
だけど、その中に一人だけ、みんなとは違うオーラを放っている人がいた。
一人だけ髪を染めていなくて、眼鏡をかけていて、いつも落ち着いていて、見るからに好青年風の大人っぽい長身の美男子。
そう。それが遠矢陸斗先輩だった。
当時高一だった私の家には、一つ上の二年生のお兄ちゃんのバンド仲間の友達が、毎日のように遊びに来ていて。
そのほとんどが、お兄ちゃんと似たような派手な容姿のチャラい人ばかりだった。
だから私は、その人たちが苦手だった。
家に帰るといつもワイワイ騒いでいて、ノリが軽くて、ふざけてばかりで。
人使いの荒いお兄ちゃんは、飲み物を持って来いとか何かと私に用事を押し付けるから、たびたびお兄ちゃんの部屋に呼ばれて、そのたびに絡まれたりするのが嫌で。
だけど、その中に一人だけ、みんなとは違うオーラを放っている人がいた。
一人だけ髪を染めていなくて、眼鏡をかけていて、いつも落ち着いていて、見るからに好青年風の大人っぽい長身の美男子。
そう。それが遠矢陸斗先輩だった。