【完】キミさえいれば、なにもいらない。
思いがけないことを言われて、一瞬考える。


そっか。夏祭りだから、浴衣で行くっていう選択肢もあるんだ。


どうしよう……。ちょっと恥ずかしいけど、他に着る機会もないし、せっかくだから着ていこうかな。


「わ、わかった。いいよ」


私が頷くと、再びガッツポーズを決める彼方くん。


「マジで!超楽しみ!!」


そんなに喜んでくれるなんて。


でもこれ、よく考えたらデートの約束なんだよね?


そう考えるとやっぱりドキドキするな……。


だけど、心のどこかでそれを楽しみにしている自分がいた。


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