【完】キミさえいれば、なにもいらない。
それを聞いて、やっぱり彼はどこへ行ってもモテるんだなぁと感心してしまう。
そしたら彼方くんが急に、私のことを上から下までじーっと見つめてきて。
いきなりどうしたんだろう、なんて思ってたら、彼は頬をほんのり赤く染めたかと思うと、口元に手を当てながら呟いた。
「っていうか、やばい……。想像以上なんだけど。雪菜の浴衣姿」
「えっ?」
「可愛すぎて、直視できない」
思いがけないことを言われ、かぁっと顔が熱くなる。
「な、何言ってるのっ……。それは褒めすぎだよ」
私が照れながら謙遜すると、彼方くんが感激したように言う。
「いや、マジでそう思ってる。ほんとに着てきてくれたんだ。嬉しい」
「だって、約束したから……」
「ありがと」
嬉しそうに笑う彼を見て、なんだかわけもなくドキドキしてしまう。
こんなに喜んでもらえるなんて、思わなかったな。
「それじゃ、行こっか」
彼方くんがそう言って、ゆっくりと歩きだす。
私はそれについて自分も歩き出した。
.
*
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そしたら彼方くんが急に、私のことを上から下までじーっと見つめてきて。
いきなりどうしたんだろう、なんて思ってたら、彼は頬をほんのり赤く染めたかと思うと、口元に手を当てながら呟いた。
「っていうか、やばい……。想像以上なんだけど。雪菜の浴衣姿」
「えっ?」
「可愛すぎて、直視できない」
思いがけないことを言われ、かぁっと顔が熱くなる。
「な、何言ってるのっ……。それは褒めすぎだよ」
私が照れながら謙遜すると、彼方くんが感激したように言う。
「いや、マジでそう思ってる。ほんとに着てきてくれたんだ。嬉しい」
「だって、約束したから……」
「ありがと」
嬉しそうに笑う彼を見て、なんだかわけもなくドキドキしてしまう。
こんなに喜んでもらえるなんて、思わなかったな。
「それじゃ、行こっか」
彼方くんがそう言って、ゆっくりと歩きだす。
私はそれについて自分も歩き出した。
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