【完】キミさえいれば、なにもいらない。
「おぉ、圭介!それにみんなも!」
彼方くんが明るく声をかけ、彼らのほうへと駆け寄っていく。
すると、先ほど大声で叫んでいた圭介くんという人が、ニヤニヤしながら彼方くんを軽く小突いた。
「おいおい~、なんだよお前、『先約がある』とか言うから何かと思ったら、ちゃっかり女子とデートしてんじゃねぇかよ!」
冷やかすように言われて、ちょっと照れたような顔で笑う彼方くん。
「はは、わりぃわりぃ」
「このモテ男が!聞いてねぇぞ。いつのまに女できたんだよ」
「いや、まだそういうのじゃねぇよ」
「ウソつけ~!」
そんなやり取りをしている二人のすぐ後ろで、ポカンと口をあけながら突っ立っている鈴森さん。
彼女は浴衣姿でメイクもバッチリ決めて、相変わらずとても可愛いけれど、その表情はひどくショックを受けているような感じで。
私と彼方くんが一緒にいたのが信じられないとでもいった様子。
それを見て、私はますます気まずい気持ちになってしまった。
どうしよう。なんだかこの場に居づらい……。
彼方くんと付き合っているわけでもないから、なんとなくうしろめたいし。
彼方くんが明るく声をかけ、彼らのほうへと駆け寄っていく。
すると、先ほど大声で叫んでいた圭介くんという人が、ニヤニヤしながら彼方くんを軽く小突いた。
「おいおい~、なんだよお前、『先約がある』とか言うから何かと思ったら、ちゃっかり女子とデートしてんじゃねぇかよ!」
冷やかすように言われて、ちょっと照れたような顔で笑う彼方くん。
「はは、わりぃわりぃ」
「このモテ男が!聞いてねぇぞ。いつのまに女できたんだよ」
「いや、まだそういうのじゃねぇよ」
「ウソつけ~!」
そんなやり取りをしている二人のすぐ後ろで、ポカンと口をあけながら突っ立っている鈴森さん。
彼女は浴衣姿でメイクもバッチリ決めて、相変わらずとても可愛いけれど、その表情はひどくショックを受けているような感じで。
私と彼方くんが一緒にいたのが信じられないとでもいった様子。
それを見て、私はますます気まずい気持ちになってしまった。
どうしよう。なんだかこの場に居づらい……。
彼方くんと付き合っているわけでもないから、なんとなくうしろめたいし。