【完】キミさえいれば、なにもいらない。
「そ、そう?でも、あんまり期待しないでね」
「えー、期待するよ。雪菜はたぶん何着ても可愛いし」
「……なっ、それは言い過ぎでしょ」
私が照れたように返すと、もう片方の手をそっと私の手の上に重ねてくる彼。
「楽しみにしてるから」
笑顔でそんなふうに言われたら、なんだかドキドキしてしまう。
彼の言葉一つ一つに、不思議なくらい心が反応してる。
この前陸斗先輩にはあんなことを言われたけれど、やっぱり私には、彼方くんが先輩の言うような不誠実な人には見えない。
騙されてるだなんて、いくらなんでも言いすぎだと思うし。
だから、余計なことは気にせずに、目の前で優しく微笑む彼の言葉を、気持ちを、信じたい。
そう思っていた。
.
*
.
「えー、期待するよ。雪菜はたぶん何着ても可愛いし」
「……なっ、それは言い過ぎでしょ」
私が照れたように返すと、もう片方の手をそっと私の手の上に重ねてくる彼。
「楽しみにしてるから」
笑顔でそんなふうに言われたら、なんだかドキドキしてしまう。
彼の言葉一つ一つに、不思議なくらい心が反応してる。
この前陸斗先輩にはあんなことを言われたけれど、やっぱり私には、彼方くんが先輩の言うような不誠実な人には見えない。
騙されてるだなんて、いくらなんでも言いすぎだと思うし。
だから、余計なことは気にせずに、目の前で優しく微笑む彼の言葉を、気持ちを、信じたい。
そう思っていた。
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