【完】キミさえいれば、なにもいらない。
私は勢いよく先輩の手を振り払うと、そのまま走って階段を駆け下りた。
嫌だ。もう、何も聞きたくない。何も見たくない。
悲しくて、苦しくて、目に涙があふれてくる。
ショックのあまり、息のしかたもわからなくなりそうだった。
ねぇ、どうして……。
どうしてなの?
あれが彼方くんの本性だったの?
じゃあ、今までの彼の言葉は、態度は、何だったの?
あれも全部、ウソだったっていうの?
彼だけは、違うと思ってた。今度こそ信じてみようと思ってたのに……。
ひどいよ。
私は結局騙されていただけなの?
陸斗先輩の時と同じで……。
そのまま急いで下駄箱で靴を履き替え、逃げるように学校をあとにした私。
彼方くんには『用事ができたから先に帰る』と一言だけメッセージを残し、そのままスマホの電源を切ってしまった。
.
*
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嫌だ。もう、何も聞きたくない。何も見たくない。
悲しくて、苦しくて、目に涙があふれてくる。
ショックのあまり、息のしかたもわからなくなりそうだった。
ねぇ、どうして……。
どうしてなの?
あれが彼方くんの本性だったの?
じゃあ、今までの彼の言葉は、態度は、何だったの?
あれも全部、ウソだったっていうの?
彼だけは、違うと思ってた。今度こそ信じてみようと思ってたのに……。
ひどいよ。
私は結局騙されていただけなの?
陸斗先輩の時と同じで……。
そのまま急いで下駄箱で靴を履き替え、逃げるように学校をあとにした私。
彼方くんには『用事ができたから先に帰る』と一言だけメッセージを残し、そのままスマホの電源を切ってしまった。
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