【完】キミさえいれば、なにもいらない。
「うーん、今年はべつに見にいかなくていいよ。これから私自分のシフト時間だし。それに、お兄ちゃんの歌はいつも家で嫌というほど聞かされてるから、もうお腹いっぱい」
そんなふうに話したら、璃子はアハハと笑っていた。
「そっか~。まぁ確かに、シフトと被ってたら見に行けないか。私も見たかったけど無理だな~、残念。でも、雪菜ももちろん一組の劇は見に行くよね?」
「えっ」
そこでちょうど彼方くんのクラスの劇の話題になり、またしてもドキッとしてしまった私。
そう言えば私、前に彼方くんと約束したんだっけ。
「絶対見に行くね」って。
でも……。
「う、うーん……」
煮え切らない返事をすると、璃子が不思議そうな顔でこちらを見てくる。
どうしよう。本当なら見に行く予定だったけど、今さら彼のステージを見たら、余計に辛くなってしまいそうで。
昨日のことを思い出すたび、胸が締め付けられそうになる。
彼方くんのことをハッキリ拒絶して、再びハッキリ振ってしまったけど、なんだかこれじゃ私、まるで後悔してるみたいだよね……。
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*
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そんなふうに話したら、璃子はアハハと笑っていた。
「そっか~。まぁ確かに、シフトと被ってたら見に行けないか。私も見たかったけど無理だな~、残念。でも、雪菜ももちろん一組の劇は見に行くよね?」
「えっ」
そこでちょうど彼方くんのクラスの劇の話題になり、またしてもドキッとしてしまった私。
そう言えば私、前に彼方くんと約束したんだっけ。
「絶対見に行くね」って。
でも……。
「う、うーん……」
煮え切らない返事をすると、璃子が不思議そうな顔でこちらを見てくる。
どうしよう。本当なら見に行く予定だったけど、今さら彼のステージを見たら、余計に辛くなってしまいそうで。
昨日のことを思い出すたび、胸が締め付けられそうになる。
彼方くんのことをハッキリ拒絶して、再びハッキリ振ってしまったけど、なんだかこれじゃ私、まるで後悔してるみたいだよね……。
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