黒犬
〜〜〜
〜SIDE 俊平
「やあ。」
次から次へと…
「検温の時間だ。」
腕を上げられ脇に体温計を刺された
「はいしめて。」
腕を下げられ体温計をはさむ
「傷は痛む?」
「少しな…」
「へー素直
どしたのーー?」
ケラケラと笑う男
こいつあいつよりムカつく
「ムカつくって思った?
ココ数時間で
人間ぽくなったねー」
バンっ
背中を叩かれる
「いっ……」
「あ、ごめん肋骨いってんだっけ。」
とぼけた顔の男に腹が立った
「いやあそれにしてもひどいね。
怪我…」
男は鳴った体温計を覗きながらそういった
「熱が出るほどって…
ねえ、少年…
あいつに殴られてる時あいつ何に見えた?」
何だその質問…
はっ
自然と笑いがこみ上げてきた
「鬼…
黒い鬼…」
そういうと男はケラケラと
ゲラゲラと大きく笑い出した
「それ
俺が一番最初に会った時も思ったやつ。
あの顔思い出しただけでも身震いするよ…
しかも手加減を知らないよね……
君なんかよりもよっぽど危険だ…」
「でもさー
あんなんでも命を大切にしてんだよ…」
彼は持ってきていた酒瓶に口をつけた
「俺が初めて会った時…
喧嘩した
今日の君と愛兎みたいな感じ…
やっぱりあいつは強かった…
ああ俺はもう死ぬんだって抵抗するのをやめた
そしたらあいつなんていったと思う?」
「知らね…」
「命を諦めるなって言ってまた俺を殴り出したんだよ
矛盾してるよね…
気付いたら自分の家で寝てた。
母さんに聞いたらすみませんでしたって愛兎が謝りに来たって言うんだ…
訳分からねえよなあ…」
グビッ
一升瓶は半分ほどに減っていた
酒臭え…
「あいつ奪う時は容赦ねえけど
救う時はちゃんと何か考えてる
だから、お前安心して大丈夫だぞ…
ここにはお前を狙ってるやつなんていねえ…
ゆっくり休みな…」
頭に手が置かれた
「おやすみ…」
パタン
扉が閉まった
〜SIDE 俊平
「やあ。」
次から次へと…
「検温の時間だ。」
腕を上げられ脇に体温計を刺された
「はいしめて。」
腕を下げられ体温計をはさむ
「傷は痛む?」
「少しな…」
「へー素直
どしたのーー?」
ケラケラと笑う男
こいつあいつよりムカつく
「ムカつくって思った?
ココ数時間で
人間ぽくなったねー」
バンっ
背中を叩かれる
「いっ……」
「あ、ごめん肋骨いってんだっけ。」
とぼけた顔の男に腹が立った
「いやあそれにしてもひどいね。
怪我…」
男は鳴った体温計を覗きながらそういった
「熱が出るほどって…
ねえ、少年…
あいつに殴られてる時あいつ何に見えた?」
何だその質問…
はっ
自然と笑いがこみ上げてきた
「鬼…
黒い鬼…」
そういうと男はケラケラと
ゲラゲラと大きく笑い出した
「それ
俺が一番最初に会った時も思ったやつ。
あの顔思い出しただけでも身震いするよ…
しかも手加減を知らないよね……
君なんかよりもよっぽど危険だ…」
「でもさー
あんなんでも命を大切にしてんだよ…」
彼は持ってきていた酒瓶に口をつけた
「俺が初めて会った時…
喧嘩した
今日の君と愛兎みたいな感じ…
やっぱりあいつは強かった…
ああ俺はもう死ぬんだって抵抗するのをやめた
そしたらあいつなんていったと思う?」
「知らね…」
「命を諦めるなって言ってまた俺を殴り出したんだよ
矛盾してるよね…
気付いたら自分の家で寝てた。
母さんに聞いたらすみませんでしたって愛兎が謝りに来たって言うんだ…
訳分からねえよなあ…」
グビッ
一升瓶は半分ほどに減っていた
酒臭え…
「あいつ奪う時は容赦ねえけど
救う時はちゃんと何か考えてる
だから、お前安心して大丈夫だぞ…
ここにはお前を狙ってるやつなんていねえ…
ゆっくり休みな…」
頭に手が置かれた
「おやすみ…」
パタン
扉が閉まった