黒犬
「じゃあ、お米研ぎの復習から。」
〜〜〜
米研ぎ方炊き方
味噌汁の作り方
厚焼き卵の焼き方
茶碗洗い
お風呂掃除
洗濯
洗濯物の畳み方
アイロンのかけ方
掃除
何日かに分けて教えてもらう
〜〜〜
「風呂一緒に入ろうぜ。」
総丘さんからの誘い
「誰が入るか…」
「冷たいなー。」
大浴場ではなくあの石風呂に向かう
自分で着替えを用意して
「ねえ俊平くん。
和服寝辛くない?
もしよければこんなのもあるのよ。」
スウェットの部屋着
今までは愛兎さんが用意した浴衣が寝巻きだった
「いいんですか?」
「いいのよ。
あの人になんでも合わせることないわ。」
紗智栞さんは俺に上下を渡しのぼせないようねと言って脱衣所の戸を閉めた
ちゃぷん
湯船に浸かる
ここで生活を始めてもう少しで2ヶ月
あったことを少しまとめてみる
ここに連れてこられて
戦って負けて
あいつの犬になって
傷を治すため寝続け
やっと部屋を出たと思ったら
家事を手伝えと言われ
……。
ーじゃぷん
目を覚ましたら部屋にいた。
「風呂で考え事はやめろ。」
桜色の髪に茶色の瞳
「愛兎。」
驚いて体を上げた
「やっと名を呼んだと思ったら呼び捨てか…俊平、俺は弱い者に愛兎とよびすてにされるのは好きじゃない。
やめろ。」
「天堂さんと総丘さんは?
あいつらは小さい時からの付き合いだ。」
「どれだけ強くなればいいんだよ。」
男は考え込んだ。
「俺より強くなればそう呼んでもいい。」
男は笑った…
「無理だ…」
口から漏れた
「明日から俺がマンツーマンで教えてやる。
すぐにこすだろう。
今日の飯美味かったぞ。」
明日から…
。