黒犬
つぎの日からは皆普通に動いていた
手合わせや稽古には愛兎さんを呼ばず
1人か、天堂さんに変わらず頼んだ
「俊平、お前なんて呼ばれたい?」
「は?」
いきなり
今更何言ってんだ…。
彼の次の言葉を探ってみる
わからない。
愛兎さんの部屋に呼ばれたと思ったらいきなり言われた
「仕事で使う名だ。」
「え?」
「連れてってほしんだろ?」
「えーー??」
「行きたくないのか?」
「行きます。
連れて行ってください
名前は別にいいです
このままで。」
「分かった。
午後から少し出かけよう。
空けておけ。」
「はい!」
やったーと手を握った
るんるんした姿を紗智栞さんに見られ恥ずかしかった
……。
何着ればいいんだ。
スウェットジャージ寝る時の浴衣
ここから出ることは無かったからまともな服がない。
「開けるぞ。」
ーガラッ
あ、
愛兎さん
広げた服を見て笑った彼
「これ、着ろ。」
手に持っていたのは高そうな着物
「着方知らない。」
「私が着せる。」
当たり前だろって顔でそれを広げた彼は手慣れた感じで俺の服を脱がせた
「これ着ろ。」
白いステテコと…肌着……
おじさんくさい………
はっきり言ってダサい…
渋々それを着る
「じゃあ次はこれ羽織って。」
色々渡される
…
「終わり。
出かけるぞ。」
玄関まで行って下駄を履く
カラーんと石と当たってすんだいい音がした
「行ってらっしゃい。」
紗智栞さんが見送った
〜〜〜
着いたのは某百貨店
男は降りるように促す
着いたのはオーダーメイドスーツの店と反物屋
身体中計測される
「どれがいい?」
たくさんの生地
ありすぎてよくわからない