もし僕が犬になったら。

NO.2


あれは、きっと事故だった。

ギャーギャー騒いでた僕と
同じようにギャーギャー騒いでた君が

廊下で背中合わせに、ぶつかったんだ。


「いってぇな!」

僕がそう叫んで、振り向くと

「すいません!」

君はイヤそうに僕に謝った。

そのときは、知らなかったけど
君は負けず嫌いで、人に謝るのも少し抵抗があったんだ。

「…ッ…」

僕は舌打ちをして、通り過ぎようとした。

そしたら君は

「ちょっと、舌打ちしないでよ。
 感じ悪いんですけど。」

「はぁ? すいません。」

僕も君みたいに、イヤそうに謝った。


そこからだった。

僕らのこんな関係は。
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