もし僕が犬になったら。
でも、本当は

もうそのとき、僕は恋に落ちていたんだ。


君は、ホントはそんなに強気な方じゃなかったんだ。

ホントは、優しくて、かわいいヤツなんだ。


「はい。」

って一言、言って僕の落としたシャーペンを、拾ってくれたり。

女子の中で笑ってる君は
すごく綺麗だった。



「ねぇ。」

君に声をかけられた。

「何。」

「あのさ、あんた何てゆーの。」

「悠斗。」

「ゆーと? ふぅーん。」

君は、いかにも「何か聞いて」とでもいうふうな、顔をしたから

「じゃあ、そっちは?」

ホントは知ってた。

名前なんて、とっくに知ってた。

「こよみ。」

こよみ___。

「へぇ。変な名前。」

そう僕は、返した。

すると、君は笑って言うんだ。

「そう。変な名前でしょ。」

「うん。」

ホントは笑って、言ってやりたいけど

なぜか、君の前では素直になれない。

「いい名前じゃん」って言えない。


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