偽彼女 偽彼氏
✡第1章
カーテンの隙間から差し込む太陽の光...
高い声でさえずる小鳥の声...
お母さんの怒鳴り声...
鳴り響く目覚まし時計...
…ん?
勢い良く飛び上がり目覚まし時計を止め、時間をみる
「えぇー!!!!もう8時!?!?」
たしか7:00に目覚ましかけてたはずなのに!
あ、止めちゃったのか…ってそんなこと考えるひまなくて!
ダダダダッ
転がり落ちるように階段を降りるとお母さんの怒鳴り声が聞こえた
「かえで!何時まで寝てるの!遅刻するわよ!」
「分かってる〜!もう行くね!朝ご飯ごめん!」
転校初日から遅刻しそうな私の名前は桜庭楓。
親の都合で小さい頃から何度も引越しを繰り返してる
そのせいで私には親友と呼べる友達なんか1人もいない
小さい頃は友達を作ろうと頑張った
頑張った分友達はできたけど…
どうせ引越して会えなくなるくらいなら最初っから友達なんか作らなくてもいいと思った
そのおかげで友達もおらず、…彼氏もいない
どこの学校でもイケメン王子様はいる。
私はイケメンが嫌いだ。みんなに同じ笑顔を振りまいて、嘘の仮面をつけてる気がするから。