冷徹騎士団長は新妻への独占欲を隠せない
「大丈夫ですか?」
「え?」
自分の顔色はそこまでひどいのかと思ったが、続けられた言葉にライラは凍りついた。
「昨日、エルンスト元帥が余計な話をしてしまって……」
「余計だなんてとんでもないです!」
ライラは瞬時に声をあげて否定する。カップの表面が揺れ、冷静さを取り戻すと、声の調子を整えてからやや早口で続けた。
「むしろ本当のことを教えていただけてよかったです。私、勝手に勘違いしたままスヴェンを付き合わせて、迷惑をかけ続けてしまうところでしたから……」
「迷惑だってバルシュハイト元帥が仰ったんですか?」
セシリアの指摘にライラはとっさに言葉を詰まらせる。そして間をおいてから、なんとか声を振り絞った。
「言ってはない、です。でも、スヴェンは優しいから……」
伏し目がちになりながらもライラはぽつぽつと語り出した。
「……私、陛下をはじめ、セシリアさんやエルンスト元帥、マーシャはもちろんですが、スヴェンには一番感謝しているんです。だから、彼のために私にできることならなんでもしたい。そう思っていました」
ライラは言葉を切る。波打つ心を鎮めようとぎゅっと唇を強く噛みしめた。
「あなたがバルシュハイト元帥のためになんでもしたいと思うのは、陛下の命令で結婚しているといううしろめたさからなんですか?」
セシリアに静かに問われ、ライラに動揺が走った。うしろめたい気持ちがもまったくないわけではない。ただ、ここ最近スヴェンといると、そこまで深く考えていなかった。
どうしてなのか。
「え?」
自分の顔色はそこまでひどいのかと思ったが、続けられた言葉にライラは凍りついた。
「昨日、エルンスト元帥が余計な話をしてしまって……」
「余計だなんてとんでもないです!」
ライラは瞬時に声をあげて否定する。カップの表面が揺れ、冷静さを取り戻すと、声の調子を整えてからやや早口で続けた。
「むしろ本当のことを教えていただけてよかったです。私、勝手に勘違いしたままスヴェンを付き合わせて、迷惑をかけ続けてしまうところでしたから……」
「迷惑だってバルシュハイト元帥が仰ったんですか?」
セシリアの指摘にライラはとっさに言葉を詰まらせる。そして間をおいてから、なんとか声を振り絞った。
「言ってはない、です。でも、スヴェンは優しいから……」
伏し目がちになりながらもライラはぽつぽつと語り出した。
「……私、陛下をはじめ、セシリアさんやエルンスト元帥、マーシャはもちろんですが、スヴェンには一番感謝しているんです。だから、彼のために私にできることならなんでもしたい。そう思っていました」
ライラは言葉を切る。波打つ心を鎮めようとぎゅっと唇を強く噛みしめた。
「あなたがバルシュハイト元帥のためになんでもしたいと思うのは、陛下の命令で結婚しているといううしろめたさからなんですか?」
セシリアに静かに問われ、ライラに動揺が走った。うしろめたい気持ちがもまったくないわけではない。ただ、ここ最近スヴェンといると、そこまで深く考えていなかった。
どうしてなのか。