冷徹騎士団長は新妻への独占欲を隠せない
スヴェンは外に出て、冷たい空気に眉をひそめながら足を進めた。そして目的地に着き、彼女の名を呼ぶ。
「ライラ」
予想通り薬草園の中にライラの姿はあり、入口から背を向けていた彼女は、声をかけられると即座に振り返って、大きな瞳をさらに丸くした。
シンプルな純白の花嫁衣装に身を包んでいるが、それをどこまで意識しているのか。それほどまでに、ここにいる彼女は普段のままだった。
「こんなときになにをしているんだ。マーシャが探していたぞ」
「えっと、ちょっと思い出したことがあって……」
歯切れ悪く答えるライラに、スヴェンはため息混じりで近づいていく。
「どうした?」
尋ねると、ライラの手に小さな青い花が握られているのに気づいた。それを彼女は差し出す。
「あのね、これを探していたの。グリュックっていう花でね。『幸福の青い花』って言われているんだけど、なんとか咲いているのを見つけたくて……。寒い冬を越えて花を咲かすから、とても強く縁起がいいものなんだよ」
目を輝かせてそう言うと、ライラはスヴェンの胸元にグリュックをそっと添えた。
「ライラ」
予想通り薬草園の中にライラの姿はあり、入口から背を向けていた彼女は、声をかけられると即座に振り返って、大きな瞳をさらに丸くした。
シンプルな純白の花嫁衣装に身を包んでいるが、それをどこまで意識しているのか。それほどまでに、ここにいる彼女は普段のままだった。
「こんなときになにをしているんだ。マーシャが探していたぞ」
「えっと、ちょっと思い出したことがあって……」
歯切れ悪く答えるライラに、スヴェンはため息混じりで近づいていく。
「どうした?」
尋ねると、ライラの手に小さな青い花が握られているのに気づいた。それを彼女は差し出す。
「あのね、これを探していたの。グリュックっていう花でね。『幸福の青い花』って言われているんだけど、なんとか咲いているのを見つけたくて……。寒い冬を越えて花を咲かすから、とても強く縁起がいいものなんだよ」
目を輝かせてそう言うと、ライラはスヴェンの胸元にグリュックをそっと添えた。