冷徹騎士団長は新妻への独占欲を隠せない
「シュラーフっていう薬草で、マーシャに教えてもらったの」
ウキウキと嬉しそうなライラに、スヴェンは嘲笑を向けた。
「あんな不味いもの、好き好んで飲もうとは思わない」
あっさりと一蹴され、スヴェンは今度こそ部屋を出ていってしまった。あまりにもはっきりとした拒絶にライラはしょぼんと肩を落とす。そんなライラにマーシャが近づいた。
「お気を落とさないでくださいね、ライラさま。スヴェンさまにも以前、シュラーフを勧めたことがあるのですが、どうもお嫌いみたいで。本当はあの方こそ、飲むべきなのですが……」
「スヴェンが?」
確かめるように尋ねると、マーシャは頷いてから頬に手を添え、ため息混じりに語りだした。
「ええ。かなり前から、あまり眠れないようでして。アードラーの任に就かれているのもあり、多少はしょうがないのかもしれませんが、それにしてもひどいようです。心配されたルディガーさまから相談をお受けしたのですが……。今のままではどうしたってお体に障ります」
「眠れないって……」
なにげなく問いかけたライラにマーシャの顔がわずかに陰った。
「私からはなんとも。勝手なことは申し上げられませんが」
どうも歯切れが悪いマーシャに、ライラはそれ以上聞いてはいけないのだと悟る。話題をシュラーフに戻せば、中断されていたお茶を淹れる流れになった。
「では、よくご覧になってくださいね」
透明のポットにシュラーフの丸い花を五つほど入れる。そこにゆっくりとお湯が注がれた。
「わあ!」
ポットの中を覗き込む、思わずライラは感嘆の声をあげた。熱湯の中に浸かるシュラーフの花は白から鮮やかな黄色に変わる。
ウキウキと嬉しそうなライラに、スヴェンは嘲笑を向けた。
「あんな不味いもの、好き好んで飲もうとは思わない」
あっさりと一蹴され、スヴェンは今度こそ部屋を出ていってしまった。あまりにもはっきりとした拒絶にライラはしょぼんと肩を落とす。そんなライラにマーシャが近づいた。
「お気を落とさないでくださいね、ライラさま。スヴェンさまにも以前、シュラーフを勧めたことがあるのですが、どうもお嫌いみたいで。本当はあの方こそ、飲むべきなのですが……」
「スヴェンが?」
確かめるように尋ねると、マーシャは頷いてから頬に手を添え、ため息混じりに語りだした。
「ええ。かなり前から、あまり眠れないようでして。アードラーの任に就かれているのもあり、多少はしょうがないのかもしれませんが、それにしてもひどいようです。心配されたルディガーさまから相談をお受けしたのですが……。今のままではどうしたってお体に障ります」
「眠れないって……」
なにげなく問いかけたライラにマーシャの顔がわずかに陰った。
「私からはなんとも。勝手なことは申し上げられませんが」
どうも歯切れが悪いマーシャに、ライラはそれ以上聞いてはいけないのだと悟る。話題をシュラーフに戻せば、中断されていたお茶を淹れる流れになった。
「では、よくご覧になってくださいね」
透明のポットにシュラーフの丸い花を五つほど入れる。そこにゆっくりとお湯が注がれた。
「わあ!」
ポットの中を覗き込む、思わずライラは感嘆の声をあげた。熱湯の中に浸かるシュラーフの花は白から鮮やかな黄色に変わる。