この想いが届かなくても、君だけを好きでいさせて。
まるで『お前のこと』と言われたかのような錯覚を感じたからだ。

だけどすぐに、なんて都合のいい解釈なんだろうと自分で呆れる。

そんなわけ、ないのに。
数々の美人の先輩やかわいい同級生を振った俊介が、私なんかで満足するわけがない。

きっと、妹のようにかわいがってくれているだけ。


「里穂は?」
「はっ?」
「お前の好きなタイプを聞いてるの」


私? タイプもなにも、俊介が好きなのに。


「私、は……」


なんと答えたらいい? 
俊介に告白する勇気なんてないし、告白したところで『ごめん』と言われるのが目に見えている。

それなら、妹的立場でもそばにいたい。


「タイプない? それじゃあズバリ、好きな男は?」
「い、いないよ、そんな」


そんなに追いつめないで。

やっとのことで吐き出すと、俊介の目が大きく開いた。


「そっか。いないのか……。それなら、俺にしとく?」
「え……」
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