この想いが届かなくても、君だけを好きでいさせて。
それから稔の両親に代わって、私たちふたりが病室に入った。
「稔。多香美がね、稔のこと心配してるよ」
私が眠る稔に話しかけると、俊介も続く。
「川島だけじゃないぞ。陸上部の皆も、C組のヤツらも皆だ」
私と俊介はE組で、稔とはクラスが違うものの、私たちが仲がいいと知っているC組の人たちが『稔は元気?』とよく聞きに来る。
「そうだよ。皆、稔が戻ってくるのを待ってる。治して……」
笑顔で話しかけていたのに、胸にこみ上げてくるものがあり言葉に詰まる。
すると俊介が続けてくれる。
「早く治して一緒に走ろうぜ。来年はインターハイ出るんだろ?」
声色はいつもと同じなのに、俊介の頬に光るものが見える。泣いているんだ。
それなのに、それを悟られないようにしている俊介が立派すぎる。
私が口を押さえて涙していると、俊介は肩をポンと叩いてくれた。
「稔。多香美がね、稔のこと心配してるよ」
私が眠る稔に話しかけると、俊介も続く。
「川島だけじゃないぞ。陸上部の皆も、C組のヤツらも皆だ」
私と俊介はE組で、稔とはクラスが違うものの、私たちが仲がいいと知っているC組の人たちが『稔は元気?』とよく聞きに来る。
「そうだよ。皆、稔が戻ってくるのを待ってる。治して……」
笑顔で話しかけていたのに、胸にこみ上げてくるものがあり言葉に詰まる。
すると俊介が続けてくれる。
「早く治して一緒に走ろうぜ。来年はインターハイ出るんだろ?」
声色はいつもと同じなのに、俊介の頬に光るものが見える。泣いているんだ。
それなのに、それを悟られないようにしている俊介が立派すぎる。
私が口を押さえて涙していると、俊介は肩をポンと叩いてくれた。