この想いが届かなくても、君だけを好きでいさせて。
第2章
切ない告白
放射線治療が始まり一週間。
病室に顔を出すと、眠っていた稔がゆっくりと目を開けた。
「ごめん、起こした?」
「ううん。里穂を待ってたから」
こんな私でも、彼の支えに少しはなれているのかな?
この時間に私がやってくると知っているおばさんは、いつも一旦帰宅して家事をしてから戻ってくるので、ふたりのことが多い。
告知のあの日から、少しずつ彼の表情が緩んできたようにも感じる。
でも、それがある種のあきらめのような気もして怖くもあった。
「ご飯食べた?」
「うん。ひと口だけね。おいしくなくて」
体力が落ちては、病気にだって勝てないのに。
「そっか。なんだったら食べらるかなぁ」
何気なくそう言いながら彼の目を見つめると、彼の左目の視線につかまりほどけなくなる。
どこか切なげな表情のせいで、心臓がバクバクと音を立て始めた。
病室に顔を出すと、眠っていた稔がゆっくりと目を開けた。
「ごめん、起こした?」
「ううん。里穂を待ってたから」
こんな私でも、彼の支えに少しはなれているのかな?
この時間に私がやってくると知っているおばさんは、いつも一旦帰宅して家事をしてから戻ってくるので、ふたりのことが多い。
告知のあの日から、少しずつ彼の表情が緩んできたようにも感じる。
でも、それがある種のあきらめのような気もして怖くもあった。
「ご飯食べた?」
「うん。ひと口だけね。おいしくなくて」
体力が落ちては、病気にだって勝てないのに。
「そっか。なんだったら食べらるかなぁ」
何気なくそう言いながら彼の目を見つめると、彼の左目の視線につかまりほどけなくなる。
どこか切なげな表情のせいで、心臓がバクバクと音を立て始めた。