臥薪嘗胆の主



─10年前。






11歳で、全てを分かったつもりでいた。






…いや、わかってたんだ。









「死ね、疫病神!」









僕の居場所が無いということだけは。











「もううちには…」








「あんな気味の悪い子、うちに置いてるだけで近所の目が…」








4才の時、両親を失った。








涙も何も出なかった。











「この子の誕生日プレゼントを買いに行く時に、事故にあったんですってね。」







「この子さえいなければ、あの夫妻は…」








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