臥薪嘗胆の主




“臥薪嘗胆の主よ。名は惆悵…呼んでください。”







「惆、悵……」





脳内に聞こえる声。







“惆悵”と呼ぶと、目の前に現れた女の人。










“私はあなたを──為に生まれた。”










そう言って女の人は消えた。











「…は、は…」







それなら僕に、ピッタリだよ惆悵。











…だって僕は僕が憎いから。殺したいから。









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