臥薪嘗胆の主
「私は主…夜様を救う為に憑きました。全ては救済する為に。…その為に私は夜様の心を覗き、どうすれば良いのかと見てしまったのです。」
…見なければよかった、と人間のよくある後悔が私にもヒシヒシと伝わりました。
「夜様の1番今欲する“救済”は…復讐でした。」
そう、それは残酷で、私を苦しめました。
「…呼んでしまったのです。“臥薪嘗胆の主”と。」
復讐に飲まれた人間など、何度も見てきました。
でも本当は“助けてほしい”…それだけだった。
「でも…夜様は、本当に…っ」
まるで、復讐の為だけに生まれたかのように。