臥薪嘗胆の主
「あ~らら。ボロボロじゃないか。」
路地裏に新たに来た男。
“主様…ここは逃げ「黙ってろ。」…っ?!”
「…お前、まさか……」
ビルにもたれかかった男は、目を見開いた。
「…なに、ただのナビのようなものだよ。」
その言葉を聞いた男は、とうに限界を超えているような傷なのに男に殴りかかろうとした。
「なんのつもり?」
力ない拳を止められた男はその場で脱力した。
「身を委ねてしまえば楽なのに…お前も馬鹿な男だ。」
そう言って男は、そのまま傷だらけの男を抱えて闇に消えた──。
no side end