臥薪嘗胆の主
「…まだ確実に、とは言えない。けど…可能性はある。」
「…そう、ですか…」
それにしても、龍神についてここまで調べてあるなんて…
「これ、少し借りていいですか?」
「うん、いいよ。用が済んだら戻しに来てね?」
「はい!じゃあ、失礼します。」
そう言って帰ろうとすると、手を掴まれた。
「…気休め程度だけど、薬をあとから部屋に持っていくからね。」
「ありがとうございます…すみません。」
「…バカ、当たり前じゃない。」
その言葉が何より嬉しくて、俺は素直に喜んだ。