臥薪嘗胆の主
紫水side
「…というわけなの。まだ確証はないけど。」
楼が寝てから。
…楼以外のみんなで集まり、鈴音が話したことは今までの楼の態度からある程度みんな想像していた事だった。
「にしても…もしそうだとして、楼の龍神がどこに行くんだろ。」
千流の言う通り…楼の龍神、緋雨はどこへ…。
「…それを今夜、確かめるってことか。」
稜真の言葉に、鈴音は頷いた。
「行ってるとこが、もしヤバい所だとして。…どうすんの?」
もし緋雨が何かをしているとしても、楼から離す事は出来ない。
「知るだけでも…少し違うでしょ?」
…その時、扉が開く音がした。
「みんな隠れて!」
小声で鈴音が言うと、各自見えない所へ隠れた。