臥薪嘗胆の主
『久しぶりね…日向 蓮。』
もう既に知り合いなのか、緋雨は日向に近づいた。
「…よく連れてきたな。」
緋雨が抱えてきたのは楼。
意識を失ってる…いや、それより体力がほとんどない…
「…夜、さ…ん……」
微かな意識で僕の名を呼ぶ楼は、苦しそうに息をしている。
「なにも喋るな楼。すぐ…すぐに病院に「ダメだよ夜。」
楼を抱える俺の肩を強く掴んだ日向。
その痛みに楼を落としかけた。
「儀式を始めるんだから。」
日向と、その後ろの緋雨は怪しく笑った。