臥薪嘗胆の主
「夜の傷は全て、お前が寝ている間…お前の龍神がやったものだ。」
…違うよ、楼。
「お前は朝、キツかっただろう?…夜は何度も死にかけたよ。」
君のせいじゃない。…自分を責めるな。
「嘘、だ…」
…もう、通じないか。
「夜は、緋雨…いや、久遠の行動を先読みしていた。…必ず自分を襲いに来ると。それを知られない為、お前らの前から姿を消したんだよ。」
だんだん楼の顔が、絶望に変わっていく。
「…お前の龍神が“久遠”で、夜の龍神が“名もなき龍神”……惆悵だから、だ。」
……落ちて逝く。
夜side end