臥薪嘗胆の主
「鈴音、離してやんないと楼苦しそうだよ〜」
さっきぶつかった人がニコニコ笑いながら言った。
「あ、ごめんね〜?あんまり可愛いから、つい!」
離れて女の人は、買い物袋をベッドの上に乗せた。
「はいこれ、ぜ〜んぶ楼くんの!」
目の前にある袋の数は、1、2、3……
これが全部俺の…?
「全部、生活必需品だから心配しないで!」
そういう問題なのか…。
「…」
というか、さっきからずっと見られてる…鈴音さんと一緒に入ってきた男の人に。