臥薪嘗胆の主




流れてくる…これは、久遠の記憶…?








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久遠side





「久遠…僕はね、この世が憎い。」






あぁ…素敵な目。








『…復讐したい?』









「…彼女を奪ったこの世を、僕は許さない。」







私はその目を愛した。









「久遠…いるんだろ?」







彼…宗明は目が見えない。






いつも気配で私を探していた。









『いますよ…宗明。』








誓ったの。









「僕はこの世界を壊す。…久遠、本当に君はそれでいいのかい?」









『ええ。』







私はあなたに憑いて逝くと。








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