臥薪嘗胆の主
第0章_夜の闇
夜side
「…みんな、ごめんね。」
─あの日。
アイビスを抜けた僕は、2つの組織を潰した。
僕が抜けたと知れ渡ればアイビスは…3代組織は均衡を崩し、まず1番に狙われるのはアイビスだからだ。
そして僕は、演じた。
「言ったでしょ、“僕の責任”だと。僕は正しい事をしたけれど、下等は所詮下等。ゴキブリのように湧いてくる。」
復讐に飲まれた哀れな男を。
「…もう戻れないところまで来てしまったんだよ。」
そう…戻れないところまで。