臥薪嘗胆の主
「…そっか。」
そう言って、夜さんはハンドルを握った。
「すみません。」
「なーんで謝んの!」
横をむくと、運転席からチョップが飛んでくる。
「…った…。だ、だって俺、今回の依頼…いつも通りみたくいかなくて。」
「…仕方ないでしょそれは。」
それから少しの沈黙が続き、目の前に懐かしい建物が見えてきた。
「ここか〜。」
施設の隣にある小さな公園は、俺がいた頃はみんなで遊んでいたのに今は誰もいない。