臥薪嘗胆の主
「なぁ楼…」
遊佐がアイビスへ来て、パーティーも終わり今は23時。
「何?」
会社には屋上があって、空をみていたら遊佐がいた。
「アイビスって、いいとこだな。」
柵に肘をつき、遊佐は目を閉じている。
「…社長が夜さんだもん、いい所に決まってるじゃん。」
これだけは断言出来る。
「ははっ。信頼してんだな、夜さんのこと。」
信頼もなにも…あの頃の俺にとっては、信頼する人がここ以外になかった。
…いや、あってもしてなかったかな。