臥薪嘗胆の主
第2章_死にたがり少女
「はい、初仕事。」
電話の受話器を渡され、受け取ると電話の向こうの人は酷く焦っていた。
『はやく来ていただけませんか?!今にも飛び降りそうな女の子がいるんです!!』
俺の初仕事は…説得、だった。
「んじゃ、私が送ってくよ楼。」
鈴音さんはキーを持ち車に乗り込んだ。
「いってらっしゃ〜い。」
夜さんと他のみんなが手を振ってるのに振り返した。
「口開けてると噛むよー。」
鈴音さんがそう呟くと、風が強くふいた。
「れ、鈴音さ、飛ばしすぎ…っ」