臥薪嘗胆の主
「女の子が飛び降りたらどうすんの。」
鈴音さんは、なにかを考えているような表情でハンドルを切った。
「場所は?!」
車から降りて行った鈴音さんは、いつもの冷静さはなくさっきからなにか引っかかるものがあった。
「紅月!」
“紅月”
鈴音さんがそう言うと、龍神が現れた。
「…またアイビスの…“龍神”とかってやつか。バケモンだよな。」
小さく聞こえてきた声に、わかりやすく反応してしまった。